もしも認知症になってしまったら…
認知症になってしまった場合の困りごと
テレビや雑誌などで、認知症のリスクを回避する方法として「成年後見制度」の利用について紹介されていますが、実際に認知症になってしまうと「何が困るのかがよくわからない…」という方が多いのではないでしょうか。
「認知症」になると、財産の管理など、ご自身の身の回りのことを行うことが難しくなってしまいます。
このことで、身近な方があなたの法律行為に関する手続きを手伝おうとしたとき、さまざまな制約を受けてしまうことがあります。
では、どんな困りごとが発生するのかを見てみましょう。
困りごと その@ 預貯金について
定期預金の解約や大きなお金を動かそうとするとき、判断能力が不十分であるとわかった時点で、金融機関が口座を凍結してしまいます。
困りごと そのA 施設入所について
施設に入所しようとするとき、入所契約は契約行為ですので本人の意思に基づいて行われますが…
→本人の判断能力が不十分な場合、「意思表示」することが難しく、できても信憑性に欠けるため認められないかもしれません。
困りごと そのB 本人名義の不動産の売却について
不動産を売却しようとするときも、契約行為ですので本人の意思に基づいて行われますが…
→本人の判断能力が不十分な場合、「意思表示」することが難しく、できても信憑性に欠けるため認められないかもしれません。
※居住用不動産を売却する場合、法定後見制度で後見人を付けても、さらに家庭裁判所の許可が必要になります。
対応については各機関の判断に委ねられておりますが、疎かにするとその機関の信用問題に関わることから、各機関とも厳格に対応しているようです。
代理権のない場合はたとえご家族であっても、その行為を代理することはできません。
そこで、法律に基づいた代理権などを得るために、「成年後見制度」の利用を検討されることになるかもしれません。
金融機関や不動産屋から「成年後見人を付ければ手続きができます」ということを言われるかもしれませんが…
この言葉にはちょっと注意が必要です!