遺言書のススメ
遺言書の作成についてのまとめ
これまでのお話をまとめますと、ご自身が亡くなった後のことについて、手間と効果を理解したうえで「何を優先させるか」ということを考えることが大切であると言えます。
遺産分割協議
亡くなった方は特に何も行いませんが、残されたご家族が煩雑な手続きを行うことになります。
自筆証書遺言書
手軽ですが、偽造・紛失のリスクがあり、残された家族が裁判所の検認手続きをしなければなりません。また、検認手続きに1〜2ヶ月かかり、遺言の執行手続きにすぐ入ることができません。
※自筆証書遺言書の法務局での保管制度を利用することで、検認手続きを省略することができます。
公正証書遺言書
初期費用がかかり、手続きが大変ですが、遺言者自ら準備することができ、死後の検認手続きでご家族の手を煩わすこともありません。
遺言書のススメ
ご自身の死後、ご家族が行う遺産分割協議には手間と時間を要します。
法的に有効な遺言書を残しておけば、ご自身の亡くなった後、相続人であるご家族が遺産分割協議を行わなくて済みます。
まずは遺言者様が単独で用意することができる「自筆証書遺言書」の作成を検討されてみるのはいかがでしょうか。相続法の改正によって使い勝手が良くなりました。
そのうえでご自身が亡くなった後、相続人であるご家族の負担を限りなくゼロにしたいと思われた方は、最強の備えである「公正証書遺言書」へステップアップしていくというのも一案であると思われます。
遺言書は遺書とは違うのですが、それでも遺言書なんて縁起でもないとお考えの方は、家族への情報提供資料として「エンディングノート」を作成することから考えてみるのはどうでしょうか?
遺言書を残す意味
例えばM銀行の残高1千万円を長男に、Y銀行の残高1千万円を二男にという内容の遺言書を作成したとします。
3年後に遺言者が亡くなったとき、Y銀行の口座から遺言者の3年分の生活費が引き落とされており、400万円しか残高がありませんでした。
このケースのように遺言書に遺言書作成時の残高を記載したことで、あとで長男と二男で揉めてしまう可能性がゼロではありません…
遺言書は「残すこと」も大切ですが、内容を「実現させること」が重要です。
そのためには、自分がいなくなった後、誰にどのように実現してもらうのかをきちんと考えておく必要があります。
→つまり作成に工夫が必要になります。
私たち行政書士は文書の作成を業としておりますので、この工夫をみなさんと一緒に考えていきます。
遺言書を残されても、相続人間の関係性が悪いとかえってこじれてしまう可能性もありますので、ご家族や相続人間の関係性なども考慮しながら、遺言書の作成についてご検討いただければ幸いです。
ご家族の関係性が良ければ、ご自身の亡くなった後のことは、相続人であるご家族の遺産分割協議に委ねてしまうというのもひとつの考え方であると思われます。
遺言書の作成に関して興味を持たれた方は、当事務所までご相談ください。