自筆証書遺言書

自筆証書遺言書とは

 

 15歳以上で判断能力がある遺言者ご自身が、自筆で遺言の全文を書き、日付、住所、氏名を自署し、押印した遺言書です。

 

◆自筆証書遺言書の作成において注意すべき要件

 

1.15歳以上であること

2.判断能力があること
3.全ての文言を自分で書くこと(ワープロ打ちは不可)
4.作成した日付住所氏名を自署し押印すること

 

※特に実印でなくてもよいとされていますが、後で効力に疑義をもたれないよう、当事務所では実印の押印と印鑑登録証明書を添えることをお勧めしています。

 

◆自筆証書遺言書のメリット

 

 遺言者単独で作成が可能であり、手軽で費用もかからない。

 

◆自筆証書遺言書のデメリット

 

  • 管理する人が定められていないため、死後に変造、隠匿、廃棄の恐れがある。
  • 方式上の違反をしやすく効力をめぐって紛争が起きることがある。
  •  →法的、社会的な信頼度があまり高くない

  • 遺言の執行をするために、家庭裁判所の「検認」が必要。
  •  →残されたご家族などの受遺者に負担がかかる

     

    家庭裁判所の検認手続きについて

     

    ・遺言の方式に関しての事実調査。遺言書の現状を確認し、証拠を保全する手続き。
    →「有効無効」を判断するものではありません。
    ・検認を受け、「検認済証明書」を受領しないと、金融機関や法務局などで「遺言執行」の手続きを行うことができません。
    ・検認には、遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍、相続人全員の戸籍謄本などが必要になります。

     

     

    相続法の改正について

     

    ◆自筆証書遺言の方式緩和

     

     遺言書に添付する「財産目録」について、パソコンでの作成が認められるようになりました。(平成31年1月13日から)
    →「別紙財産目録に記載の財産を長男○○に相続させる」とした場合の別紙財産目録がこれにあたります。

     

    ◆自筆証書遺言書の法務局の保管制度の創設

     

     自筆証書遺言書を「法務局」で預かってもらうことができるようになり、この制度を利用する場合、裁判所の検認手続きを行わなくて済みます。(令和2年7月10日から)