計画の策定について その①
市町村計画策定の担当課は？
①どの課が主担当になったとしても、関連する部署全体で取り組みます
私見ですが高齢者支援担当が中心となって担うのがいいように思います。在職中、市長申立ての件数が障害者部門より高齢者部門のほうが圧倒的に多かったことがその理由です。
設置済自治体のアンケートによりますと、高齢福祉 (５３自治体)、地域福祉 (３５自治体)、福祉総務等 (３１自治体) 、もともと成年後見制度を担当していた部署 (２９自治体)。２つ以上の部署で合同担当という自治体も１４自治体あります。
②担当課を中心に最小単位で開始し、順次、関連部署に参画してもらいます
■必要性の整理段階の例（令和２年９月１日から令和２年１２月３１日）第１段階
○高齢者福祉課
ニーズ調査 （高齢者）、視察地の選定・調整
○障害者福祉課
ニーズ調査 （障害者）調査結果の取りまとめ、資料作成
■具体的な検討段階の例（令和３年１月１日から令和３年６月３０日）第２段階
○高齢者福祉課
・設立検討委員会の開催調整
・予算や議会等の対応
・対外周知・説明
○障害者福祉課
・具体的な仕組み検討
○生活福祉課
・生活保護ケースの状況反映
・生活困窮者自立支援事業との調整
スケジュールの決定
①おおよその策定時期を定め、逆算して、何をどのタイミングで話し合い、いつまでに準備するかを考えます。
②計画策定の手続きについて、どのような方法を選択するのか、他の計画を策定したときの手順やスケジュールも参考にします。
現状の確認
①関連する計画等で示されているデータを参考に、権利擁護支援の必要性を量的に把握することができます。
②量的なデータとあわせて、ニーズの質的な特徴を把握すると体制整備の面からも効果的です。
③把握したニーズについて、社会資源や施策の現状など、市町村としての対応状況を確認します。
課題の整理
①把握したニーズに対応する受け皿や、現状の施策の課題を整理します。
②課題だけでなく、既に対応できていることや、うまく機能していることについても整理します。
③他の行政計画などで示している「地域の目指す姿」との整合性を図ると、計画の実効性を高めることができます。
計画策定メンバーの決定
計画策定のためのメンバーは協議会として条例で定める方法が一般的でしょうか？
①司法関係者の関与・参画により、法的な観点から計画を確認することができます。行政書士会としても行政の計画策定への関わり方を考えていきます。
②計画の策定方法（単体の計画として策定or地域福祉計画等と一体的に策定）によって計画策定メンバーは変わります。
③自治体内の仕組みや、これまでの前例を参考にします。
計画策定メンバーの例
委託している既存の成年後見センター運営委員会の活用は効果的な手法ですが、計画の策定主体は市町村ですので注意が必要です。
行政書士が既存の成年後見センターの運営委員会の委員に既になっているのであればその流れで計画策定にも参画しやすいが、なっていない場合はこれを機会に行政と調整し、参画させてもらえるよう交渉していくことが大切です。
