成年後見制度の利用促進に関するまとめ
まとめ
繰り返しになりますが、今回の成年後見制度の利用促進に関する動きは、行政だけでなく地域住民、地域の関係者・関係機関が参画し、表面化しにくい権利擁護支援の必要性を早期に把握し、支えていく「地域連携ネットワーク」を構築していくことが最終的な目標となります。
地域連携ネットワークには3つの構成要素がありました。
どこの市町村でも高齢者や障害者の支援に際し、形は色々あると思いますが、関係機関がチームで支援していると思います。その中で成年後見制度の利用が必要な方への支援を考えていくことになります。
このチームを支援するための協議会を整備し、その協議会の事務局でありコーディネーターとして中核機関を設置することにあります。
それには新しい協議会を整備することにこだわらず、既存の会議等をを活用していくこともできます。
現在、社会福祉協議会等に委託している「成年後見センター」がある場合、その運営委員会を協議会として活用をすることは有効な手段と言えます。
中核機関の整備のしかたには様々なパターンがありますので、地域の実情に合ったやり方で整備を行っていただくことになります。
これを成年後見制度の利用の促進に関する市町村計画として根拠づけ、定めていきます。
市町村計画の例
1.成年後見制度利用促進基本計画の策定の策定にあたって
(1)計画策定の趣旨
(2)計画の位置付け
(3)計画の対象期間
(4)計画策定体制について
2.現状と課題
3.今後の取組
4.評価
この市町村計画の塊を単体の計画として策定するか、地域福祉計画など他の計画と一体的に策定するかを決めていきます。
計画の策定メンバーは、協議会のメンバーやその前段の準備会や成年後見センター運営委員会のメンバーと連動させ、専門職団体(弁護士、司法書士、社会福祉士、行政書士など)に入ってもらうと流れがスムーズになると思われます。
成年後見事務は行政書士法に定められた法定業務ではありませんが、法定後見人として後見等を受託したり、任意後見契約書を作成したり、成年後見制度は今後一層関わりが深くなることが想定されます。
このことから、行政書士会としても今回の「成年後見制度の利用の促進に関する法律」の施行と「市町村計画」の策定を機会として、弁護士会、司法書士会、社会福祉士会の3士業と同じようにその専門性を発揮できるよう行政に働きかけていくことが必要になります。
具体的には協議会への参画と市町村計画の策定メンバー(審議会)に加えてもらうことです。
その手段としてまず各自治体の「成年後見センター運営委員会」に参加しているかどうかの確認を行い、行政書士会やコスモス成年後見サポートセンターの取り組みを行政に伝えていき、自治体の協働機関として行政書士会を認知してもらうことが肝要と思われます。
その結果首長申立ての際の後見人として推薦されたり、中核機関のマッチング支援の受任者として選任されることが想定され、地域連携ネットワークの一翼を担うことができるようになります。